ディズニー・パルパルーザ:「ストーリーを体験する」という商品の価値

ディズニーパーク好きのみんながファンタジー・スプリングスの話をしている今、
ディズニー・パルパルーザの個人的総括をします。

東京ディズニーランドで今年から始まったイベント
『ディズニー・パルパルーザ』。
そこで導入されたパレードのDPA課金に、最初少しブーたれてました。
が、納得してきた、という話です。

ミニーのファンダーランド、ドナルドのクワッキー・ダックシティ、どちらも体験してきました。
まず断っておくと、私はミニーちゃんが大好きなので、そこの贔屓目が多少出てたら申し訳ない。読者側で引き算していただけるとありがたい。

ミニーのファンダーランド

まず「ミニーのファンダーランド」。
このパレードの素敵なところは、ゲストがミニーちゃんとの特別な結びつきを感じられるところで(言葉遣い)ある子は自分がミニーちゃんになり、ある子はミニーちゃんの限界追っかけになり……

確かにパレード上での構成っていうのはあって、過去の曲を踏まえている、ミッキーとミニーのラップが相似の位置にある、ミッキーがミニーにプラザを超えて愛を伝える、などというのも、ミニーを主役にしたラブロマンスがちゃんと展開されている、などというのが挙げられるけど

「ミニーちゃん愛を本人に届けられる」のがこのパレードの真髄だったと思う。

ファンにとっては、キャラとの「個人的な」関係を築くって大切な感覚で、その意味で、2024年11月から始まるミニーのパジャマパーティーグリも同一だと思います。

ミニーちゃんとのパジャマパーティーって、すごくミニーちゃんと親しくなれる感じがあるじゃないですか。
このグリは「キャラに会える」のではなく、「キャラと特別な関係のひとときを過ごす」ということが大事。(ホームページにも書いてあるし)

もはやパークでは、ストーリーは与えられるものではなく、もはや自分で見つけに行くものでしょう。(FSのテーマ曲を例に挙げるまでもなく) 物語に「感動する」っていうのは、「自力で物語を見つけられてる」ってことで

「ミニーと自分の物語」が瞬間的にも発生しているということです。

……とまあ、ここまで熱っぽく語ってしまうのは、私がオタクだからなのですが。城前DPAが取れなかったからプラザのDPAも購入してるし。

ていうか、ここまで狂ってない人って、パレードでキャラが見られた、とかだけでも十分嬉しいんですよね。 

ドナルドのクワッキー・ダックシティ

ということで、私が課金してないパレード「クワッキーセレブレーション★ドナルド・ザ・レジェンド!」はどうだったかというと……

やはりプラザ周辺にいないと、または楽曲をフルでを聴いてないと、パレードのストーリーが意味分からない、というのが率直な感想。

(パレードにストーリーなんか要るんか!?は、オタクでない立場に移動してやっと出てきた感想、後述します)

パレードはトゥモローランド・テラス付近で見ました。

キャストさんから「まずピートが来て少し空きますがパレードが続きますので」と案内があった。

おだてられてるピートが俺様顔で単騎で通り過ぎ、そこからしばらくして、パレード本体が来て、何故かピートは最後尾に移動し、ドナルドを褒めている。

もう構成すら謎であった。

曲をちゃんと聞くと……

まずデイジーがドナルドを呼び出す

ミッキー他全員が「彼は世界一のスター!ドナルド大王!」との褒めまくってるから

「この世界ではドナルドがナンバーワンなんだ!」と納得できる。

(ただピートだけ先に通るポジで観ると「ピートが噛ませ犬」みたいになっててションモリしてしまう)

そして、最後は夢オチなのである。

そしてこれ流れは、パレード停止位置のトゥモローランド・テラス付近で1時間以上前からポジってても、全て理解できるわけではないのだった。

別にパレードにストーリー求めるレベルのオタクは楽曲とかポジとか全部抑えてるでしょということでもあるのだが……。

「ストーリーを体験する」という商品の価値

と、ここまで考えてきて、ようやく気付いた。

エリアによってパレードの「物語の理解度」が変わるのは「ただのストーリテリングを超えることこそディズニーIPの価値」って考えてるなら当たり前だ。

先日ディズニーCEOのボブ・アイガーのコメント含む自社ビジネス解説ページを観たのだが

その中で紹介されている動画の意味するところが、意外なことに、パルパルーザのパレードでようやく体感できた。

(みんなこの体感をファンタジー・スプリングスで感じてるんやろね……!)

そもそも。

パレードってオチとかつけるものではない、ストーリーを語るには適さないものだけど、

『スペクトロマジック』とか、日本だと『ファンティリュージョン!』などでやってきた。

そうした夜のパレードは今はなくなり、MKは『エレクトリカルパレード』に統一。

エレクトリカルパレードに構成はあるけど、ストーリーとまでは行かない。

そして「あのキャラ、ディズニープラスで見た!」がてんこ盛り、且つ、常にバージョンアップ対応というわけで……非常に芸術点の高い「広告」と言ってしまえなくもない。

(ファンには失礼な言い方だし、私もこういう味方はとても好きではないのだが、「ストーリー」に商品価値をつけるとは、という話の便宜上……すみません。白鳥のフロートが好きだったんですわ)

ディズニーの本質はストーリーテリングで、そこには魅力的なキャラクターが不可欠である。

「キャラを出すこと」だけでは特別にならない。

となると、パークという体験型商品では、

・通常料金で「あのキャラが見れる」「非日常が体験できる」

・特別料金で「(非日常を超えた)圧倒的ストーリー体験ができる」あるいは「自分だけのストーリーを描ける」になる。

そしてもちろんバックエンドであるところの特別料金商品を買ってほしい。

(マニアはフロントとバックどちらの品質も「フィロソフィー」に合致しているかどうかを鬼の形相で管理している)

こんなの書くまでもないあったりまえの話なんだけど、マーケとか金勘定が死ぬほど苦手な私からすると、「これまでにない物語体験をビジネスの枠組みに乗せて売る」って凄まじいことだなと思いました。

誰でもネットでストーリーを発表できるこの現代で、超絶圧倒的な物語体験を商品にするというディズニー社の目標の意味するところが、パルパルーザ、というかパレードDPA導入で少し見えた気がしました。

(何度も言うけど、現在のTDRでの超絶圧倒的な物語体験はファンタジースプリングスの方です……。)

でもでも、半年のパルパルーザはアトラクやショー(ひいてはエリア)などの圧倒的物語装置をリリースする間の求心力としては十分じゃないかなと感じました。

どうしてもパークは刷新に時間と資金がかかるから……

以上がパルパルーザまとめです。

今後ショーパレのDPAは続くと思うけど、そこでどれだけ体験に深みを魅せられるか。

ただの「キレイな写真を取るポジ」に堕してしまわないことを願うばかりです。

以下、ミニーのパルパルーザについて感じた補記。

そもそも、ミニーのパルパルーザは、パレードとか以前に、久々にパーク全体に熱気を感じた。

昨年のミニーイベ「ベスティーズバッシュ!」よりもより力強かった気がする。

とにかくそこにいるだけで「カワイイ」になれたのが本当に幸せで、ゲストの潜在的「かわいくなりたい」をまっすぐ力強く肯定してくれる世界だった。

みんな何かしら、ピンクと水色の何かをつけて、ファンダーランド族といっても過言ではない。

ドナルドの時もバウンドコーデみたいな人はたくさんいたけど、ミニーの熱狂はなんかヤバかった。

(「ミニーの時も来たんですが」と言うと、各所のキャストさんも当時の盛り上がり方について話してくれた)

(いや、みんなこの時期シーに流れているのかもしれないが……)

時まさに全世界ビジュアル投稿時代で、みんな写真や動画を撮りまくってた。

なんせどのデコレーションも写真撮るのでめっちゃ並ぶのである。

面白いと思ったのが、パレード内の曲の一節で

M-I-N-N-I-E ミニー
魔法をかけて
M-I-N-N-I-E ミニー
あなたに夢中なの

Minne @ Funderlandより『Polka- Dotted Funderland』

ダンサーさんの振り付けが「魔法」のところで指フレームになるのである。

https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=23050310

「撮影」こそ、まさにファンダーランド族みんなが使える魔法なのだ!

パークがとにかく「映え」なのはおそらくネットでの拡散を狙ってのことなんだけど、ほんとにそれ目当ての人々の熱気がすごかった。

ファンダーランド族は、女性が多いと思われるが、別にDPAガッツリ課金したり(取れたらいいなくらい)、バケパ富裕層でもなく(いるっちゃいるが)、ディズニー・スタジオのアニメを全部観てるわけではない(残念ながら)。

ただ、みんなファンダーランドの一員になりたいのだ。かわいくてキュートでありたいのだ。その証拠として写真や映像を残しているのだ。

その意味では、ハロウィーンに近かったのかも知れない。

そしてミニーイベはひな祭り時期にあるのがいい。

私の中では「ミッキー・マニア!」に匹敵する、令和の日本で体験すべきイベントでした。

是非またやってほしいです。

この記事は2024年5月31日にnoteに掲載したものです。

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